経営方針

三重交通グループ中期経営計画
(2023-2026)

当社グループは、2023年度を初年度とする新しい中期経営計画を策定しました。本計画では最重要方針である「安全・安心・安定・快適なサービスの提供」のもと、各事業の収益基盤をさらに拡充するとともに、コロナ下で進めたコスト削減の定着やDX実現に向けたデジタル化等を一層推進することでグループ全体を再び成長軌道に戻します。人口動態の変化やポストコロナ、ESG等が及ぼす影響を注視しながら、グループの成長戦略を描きます。

基本方針

安全・安心・安定・快適なサービスの提供 成長分野の深耕と創造 市場の変化に対応した事業モデルの構築 サステナビリティへの取組み DXの推進 財務体質の改善 これらの基本方針のもと次の6つの重点施策に取り組みます。

重点施策

1. 運輸セグメントのコロナ禍からの回復と事業機会の拡大

安全への取組み

運輸セグメントの安全は各事業における信用力の源泉となることから、従業員教育の徹底、適切な運行管理に加え、車両の定期的な更新等を継続します。

乗合バス利用者の維持・拡大

路線バスについては、大量輸送に適したエリアを中心に連節バスを導入し、運行の効率性向上と環境負荷軽減を実現します。

大規模イベントの関連需要と機会の獲得

貸切バスについては、大阪・関西万博などの大規模イベントで生まれる需要・機会を獲得し、収益確保を図ります。

収支構造についての改革を継続

引き続き、ダイヤや路線の見直しを行い輸送の効率化を図ります。また、生産性の向上につながる業務のIT化についても継続します。

連節バス(三重交通)
貸切バス(名阪近鉄バス)

2. 成長ドライバーとなる不動産セグメントの収益基盤の拡充

賃貸ビル開発による不動産賃貸事業の拡大

リニア開業効果が期待される名古屋駅の東と西のエリアではコンセプトが異なる2つのビルを、三重県の近鉄四日市駅前では県下最大級のオフィスビルを開業します。

第2名古屋三交ビル
名駅三交ビル

施設の新規開発だけでなく、既存のビルや商業施設の取得も進めます

不動産セグメントでは、このほか売却型賃貸マンションの開発と計画的な売却、分譲事業を起点にしたストック・フィービジネス(マンション管理等)の強化により収益を拡大していきます。

3. 流通、レジャー・サービスセグメントのペントアップ需要の獲得と競争力の向上※先送りされた購買需要

ビジネスホテル「三交イン」の新規開発

ビジネスホテル「三交イン伊勢市駅前」に隣接するビル内にGrandeブランド(ワンランク上)の別館を2023年7月19日に開業し、ポストコロナで高まる旅行需要を獲得できるよう新規ホテルの開発を進めます。

付加価値の高い商品の販売

コロナ禍で先送りされた様々な需要を獲得するため、フランチャイズ展開する「ハンズ」や旅館「鳥羽シーサイドホテル」等では付加価値の高い商品の企画・販売に取り組みます。

ハンズ名古屋松坂屋店
鳥羽シーサイドホテル

4. グループの経営資源を活用した地域との共生

東海3県(三重・愛知・岐阜)で人々を惹きつける「まちづくり」に貢献

三重県では、「熊野古道」の世界遺産登録20周年(2024年)や「お木曳行事」(2026年・2027年予定)に合わせた誘客活動等で交流人口等の増加に貢献します。また、「近鉄特急」停車駅の周辺では、マンション分譲による定住人口の維持・拡大に加え、街の賑わいづくりにつながる賃貸ビル等の開発を進めます。岐阜県西濃地域では、2026年度に全線開通予定の東海環状自動車道を利用した新しい人の流れを三重県北勢エリアとの間につくることで、新たなマーケットの創出を目指します。

三重交通はお客さまが円滑にバスを利用できるよう、IT技術を使ったバスの見える化を進めています。

路線バス検索
バス接近情報サービス

名阪近鉄旅行は、新たな旅行商品の開発を進めます。

5. ESG課題の解決によるSDGsの達成

電気バス等の電動車導入を拡大することでCO2の排出量を削減します。グループ内の全てのバス、タクシー車両を電動化することやCO2の排出量が実質ゼロとなる合成燃料の普及については時間を要することから、カーボンクレジットを活用したCO2のオフセットについても検討します。既に取り組んでいる三交不動産の自社使用電力の実質再エネルギー化及び三交インのカーボンニュートラルな都市ガスの使用については継続します。

電気(EV)バス(名阪近鉄バス)
燃料電池(FCV)バス(名阪近鉄バス)

6. DX実現に向けたデジタル化の推進

データとデジタル技術の活用により、既存サービスの向上や新しいサービスの提供、業務プロセスの改革に取り組みます。また、デジタルリテラシーを高めるため人材育成にも注力します。
三重交通グループアプリについては、グループ各社の情報発信等にあわせて地域の観光情報を提供できるようにするほか、キャッシュレスサービスについても機能を拡大し、アプリ利用者の利便性向上を図ります。

三重交通グループアプリ

投資計画

総額で430億円の投資を予定しており、維持更新投資の130億円は、主にバス車両更新等の安全にかかわるものへ、成長・戦略的投資の300億円は、将来の収益の柱となるよう注力分野の賃貸事業へ重点的に行います。

数値計画

単位:百万円

2026年度
(計画最終年度)
成長性 営業収益 110,000
営業利益 8,500
親会社株主に帰属する当期純利益 5,500
健全性 自己資本比率 35%程度
有利子負債※1/EBITDA※2倍率 6倍以下
効率性 ROE(自己資本純利益率) 9.0%程度

※1 有利子負債=有利子負債ー現金及び預金 
※2 EBITDA=営業利益+減価償却費

2023年5月26日発表資料


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中期経営計画の進捗については、決算説明会資料をご覧ください。


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