教育システム構築の経験を活かしリスクマネジメントとダイバーシティ経営の推進に貢献していきます
社外取締役 髙宮 いづみ

三重県は歴史と文化に触れられる名所が多く、海と山と人が共生する豊かな自然環境があって、関東出身の私から見てとても魅力あふれる地域です。当社グループは三重県を中心に地域のインフラともいえる事業を担っていますが、その上で、これからの少子高齢化社会で繁栄していくには、地域に根差した企業として堅実に役割を果たし、「地域のつながりを支える」存在であるとともに、地域の魅力を創出・発信することが必要だと思います。人気観光地である伊勢志摩や熊野古道に加え、伊賀上野や尾鷲などの魅力も多くの方に知っていただく新たな仕掛けづくりが大切だと思います。
近年では、地方創生に向けて産学官連携に金融機関が加わる動きがみられます。当社グループは行政との連携で多くの実績がありますので、今後は三重県内の大学や金融機関とのネットワークづくりにおいても、その存在感を発揮してくれるものと期待しています。
私はこれまで、大学の管理職としてガバナンスの仕組みづくりに携わってきました。教育システムを考えるには、グローバルの中で日本社会全体を見る必要もありました。社外取締役としても、株主目線を重視しつつ、これらの視点を踏まえて、地域の課題解決や活性化につながる提言をするよう心がけてまいります。
また、昨今の学生は就職先の企業に対して、給与面よりも企業のコンプライアンスへの姿勢を重視する傾向があります。すでに当社グループはコンプライアンス行動規範の浸透・徹底に取り組んでいますが、リスクマネジメントにおいてさらに踏み込んだ施策を講じられるよう、後押ししてまいります。
中期経営計画(2023-2026)においては、基本方針に沿って着実に進捗していると評価しています。コロナ禍による厳しい経営環境を乗り越え、終息後、速やかに復活を遂げた底力には驚かされました。グループ内の協業が奏功した結果だと捉えています。
サステナビリティへの取組みのうち人的資本については、さまざまな制度の導入が進んだことにより、女性管理監督職比率などでは目標値に届かないものの確かな改善がみられ、有給休暇取得率や男性の育児休業取得率においては目標を上回る水準に達しており、高く評価します。働きやすい職場づくりのための先進的な取組みはぜひ推進してほしいと思います。
また、女性管理監督職比率30%という目標に向けては、働きやすい職場づくりと積極的な採用活動の両輪が鍵になると考えています。女性管理職の育成は、男女同じ割合で総合職として採用した上で、出産や育児によってキャリアが中断されることのないよう継続的な支援を行う必要があり、その成果が現れるまでには一定の時間を要することが課題です。育児休業が最長で小学校入学まで認められ、時短勤務制度を希望により延長できるなど、グループ各社における子育て支援制度はかなり充実していますので、積極的に進めていっていただきたいと思います。
同時に、ダイバーシティ経営を推進する上ではアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)の克服が不可欠です。性別や結婚、出産に左右されることなく従業員一人ひとりが最大限能力を発揮できる制度と環境の整備をさらに進めていただきたいと考えています。
地域と共生・共創していくために地方創生における課題や施策について積極的に提言していきます
社外取締役 植田 隆

私は三重県庁で40年余り勤務し、県財政を担う部署を中心に地域の振興、中小企業への支援などに取り組んできました。このうち4年間は交通政策課に所属し、三重県内市町と中部国際空港をつなぐ交通網の整備や地域の開発に携わりました。陸路ではやはりバス輸送が重要ですから、三重県と三重交通が手を携えて交通網整備に取り組んできたご縁があります。
三重県は豊かな自然に恵まれ、歴史や伝統・文化など魅力あふれる地域です。一方で、人口の減少、少子高齢化、南北格差など、多くの課題が山積していることも事実です。この地域をさらに元気にするためには、当社グループが、行政では行き届かない分野の支援を担い、課題解決に向けて三重県内市町と手を携えていく必要があります。当社グループは三重県内を主な事業エリアとし、三重県ともすでに長年の信頼関係を築いてきています。今後とも地域のニーズを迅速に把握できるよう、橋渡し役を担っていきたいと考えています。社外取締役として株主目線で発言するのは当然のことながら、地方行政の現場を知る者として、地方創生における課題や施策について積極的に提言していきたいと考えています。
当社グループが、三重県内市町と協働でAI活用型デマンド交通や自動運転バスの実証実験に取り組んでいること、また、三重県や近鉄グループと連携してゴルフツーリズムなどインバウンド誘客を推進していることは、大いに評価できることであり、引き続き進めていただきたいと思っています。
当社グループの強みは、三重交通グループホールディングスを中心に4つのセグメントが互いに支え合う経営体制にあります。岡本取締役相談役が「心の連結経営」と表現されているように、資本関係だけでなく、「お客さまの豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、グループ一丸となって「安全・安心・安定・快適なサービスの提供」に努めていただきたいと思っています。小倉会長と竹谷社長のリーダーシップのもと、この強みを活かし、各事業が継続・発展していくよう支援していきたいと考えています。
環境課題の取組み状況については、取締役会で定期的に報告を受けています。運輸事業では、EV(電気)バスやハイブリッド車両の導入を進めており、効率的な運行管理によってCO₂削減が進んでいます。不動産事業でも、賃貸オフィスビルの省エネ認証取得を進めており、2024年6月に開業した第2名古屋三交ビルは「ZEB Oriented」、2025年8月に開業した四日市三交ビルは1ランク上の「ZEB Ready」を取得しました。また、木造住宅の建築やオフィスビル等への三重県産木材の利用促進とともに、太陽光発電(メガソーラー)事業やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅の取扱いなど、脱炭素化を積極的に推進しています。
循環型社会の実現に向けて、他にも廃棄物の排出量削減、リサイクルの推進、効率的な水使用など、現場の改善努力がみられます。こうした取組みにおいても、ぜひ地域の企業をリードしていただきたいと思っています。